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Chic & Sweet * びいず・びい

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by tara-a
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スタンドアップ(試写会)-North Country-

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見ごたえのある作品でした。

舞台は1970年代の北ミネソタ、男達はみな炭坑で働き暮らしを立てていた。この町で生まれたジョージー(シャーリーズ・セロン)は高校時代に未婚の母となり、別の男と結婚したものの夫の暴力に耐えきれず離婚、両親の元に帰ってきた。父親の違う2人の子供を抱えながらも、誰にも頼らず自分の力で家族3人暮らしていきたいと願い、給料のいい炭坑で働く決心をする。しかし、炭坑は「男の聖域」。覚悟はいていたものの、想像を絶する陰険で悪質な嫌がらせが彼女を待っていた・・・・・

アメリカでセクシャルハラスメント訴訟に初めて勝利した女性をモデルにした作品。コレが実話に基づく話なのかと思うと気が遠くなりました。今でいう「セクハラ」の範疇を超えています。女であるというだけで、「人」として認められず、徹底してバカにされ踏みつけにされる。それは男達の「生活の糧」を脅かされる恐怖への反発と、「聖域」であった炭坑に足を踏み入れ男のプライドを傷つけた女への復讐でもあった。
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見ていて辛くなるほどの怒りを感じるのは、単なる女性に対するセクハラではなく、「人として」許されないレベルのイジメや虐待が、集団で加えられていた事実。女性(=マイノリティー・以下同義)は一方的に耐えるしかなく、さらに、その現実を覆すにも、かえって女性が女性の敵になることも多かったこと。それは自分自身と家族の最低限の生活を守るためだったことが、なおさら哀しく辛かった・・・・。こんなにも必死で生きている人々が、一握りの金持ちや大企業の都合で、互いに傷つけ合うようにし向けられるなんて、世の中ヒドスギル!!でもこの構図は昔も今もたいして変わっていないんだよな、と思うと益々怒りバクハツでございました。

途中で、私も過去にあんな事やこんな事があった・・・なんて、比較の対象にならない些細なことを思い出してヒートアップしてみたり、映画に出てくる男どものあまりのひどさに、「マシンガンでぶち殺してやりた~~~~い!」という強い衝動に何度も襲われたりも致しました。おほほ。少なくとも、殿方と2人で見る映画ではないでしょう・・・
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でも、むずかしくて重いだけの社会派作品なのかというとそうでもありません。
子供のため、家族のささやかな幸せのため、必死で戦い続けるジョージー。長年炭坑で働いてきたことを誇りとし、ティーンエイジャーで子供を産んだ娘・ジョージーを恥さらしと遠ざけてきた父。そんな夫と娘をハラハラしながら見守り続け、ついに行動を起こす母。そしてジョージーの子供達。この3世代の家族のスレチガウそれぞれの思いと、ようやく通い合う心が感動的に描かれています。
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脇を固めるキャストも豪華。この作品にはなんと3人のアカデミー主演女優が出演。
一人はもちろん主演のシャーリーズ・セロン。彼女に仕事を紹介し最後まで彼女を支えてくれたグローリーにはフランシス・マクドーマンド。ジョージーの母にシシー・スペイシク。流石に皆さんいい味出していました。

正月休み、穏やかで甘いテイストの作品をたっぷり見だめた私にとって、たいそう見応えのある作品でございました。
by tara-a | 2006-01-16 12:20 | Movies & Books
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