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Chic & Sweet * びいず・びい

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河合隼雄の万博茶席―しなやかウーマンと21世紀を語る

河合隼雄の万博茶席―しなやかウーマンと21世紀を語る_b0056988_19121576.jpg
心理療法家で文化庁長官でもある河合隼雄氏が、愛・地球博の期間中、特設の茶室「香流亭」で、第一線で活躍する女性たちと多彩なテーマで語り合った。それを中日新聞社が1冊にまとめたもの。
対談者は作家・塩野七生さん、山形の銀山温泉「藤屋」女将・藤ジニーさん、国連改革欧州諸国担当大使・中山恭子さん、JAXA宇宙飛行士・向井千秋さん。

いわば、万博の“公開トーク”を本にまとめたものなので気軽に読めますし、その割りに内容は興味深いものになっています。機会があれば是非手に取ってみてくださいね。(私はお風呂に入りながら読みました♪)

それぞれの対談者が固有の体験と信念をもち、それをもとに自身の人生をイキイキと生きている様子が感じられて、ちょっとした触発を受けました。各自の著作を別途読んでみたくなりますよ。

河合隼雄の万博茶席―しなやかウーマンと21世紀を語る_b0056988_19185819.jpg中でも向井千秋さんの話は印象的。

「宇宙に行って一番おもしろかったのは帰ってきた時」と彼女は言います。地球に戻ってみたら、たった一枚の「名刺」がものすごく重く感じる!物が落ちるのが滅茶苦茶おもしろい!
「地球から離れてみたら、地球の上でわれわれが普通と思ってやっていることが、実はすごくありがたかったり、素晴らしかったり、おもしろかったりするという。そういうことが分かるだけでも、人生うれしくなりますね。」

地球には重力がある。だから物が落ちる。洋服がしっくりと体に馴染む。泣いている赤ちゃんを抱っこすると泣きやむ。「皮膚に何かが触っている、外界と自分がつながっている」と感じるから安心できる。宇宙の無重力空間では重さが無く不安定。重力が無いから上も下も無い。長くいると精神が不安定になる。--と。

さらに、
「重力はサングラスみたいなもの。生まれたときから青いサングラスをかけていると、青い物を通して青い物は見えない。宇宙ではいやがおうでもサングラスをはずして起こってくる現象を見なければならない。」それまでは、青い色の物は見えていなかったことに気づかされるというのです。
「ちょっと発展させてみると『青い鳥がどうして見つからないか』というのは、青い鳥に囲まれている人は、青い鳥が見えないからですね。」
「青いものを見るには、一回そこを離れてみないと。」

何も、新しい話ではない。むしろよく聞く話でもある。でもたとえ話とか、道徳のお話ではなく、無重力の宇宙に実際に行って来た人が、素朴な実感として語っているところに、その事実の重みが感じられます。

河合隼雄の万博茶席―しなやかウーマンと21世紀を語る_b0056988_19325346.jpgでも「一回そこを離れてみないと。」・・・って?
仕事を辞めて、家を出る? 海外へ・・・?
なんてぐるぐる考えを廻らせていたら、向井さん曰く
旅行もその一つ。自分が行ったことの無い土地で景色を見る、知らない人と話してみる、食べたことの無いものを食べてみる。「ここの人たちは私たちと違う」 「私たちと同じことをやっている」と感じる。そして本や映画の世界。本を読むことで、違った生き方を(疑似)体験することができる。「こう考えている人もいる」 「こういう生き方もある」という認知。
サングラスをつけたまま一生終えるのではなく、それをはずす(訓練をする)ことで、そこにある本当の色を見ることができる。そこに歓びや感謝、活力が生まれる、と。

な~んだ。そんなのでいいのか。
でも自分のものの見方、見ようとする姿勢で見えてくるものって変わってくるかも知れないですね。
あることのありがたさ、とかを十分に味わっていないかも。と考えたりします。
・・・・・もう少し、味わってみるか。
by tara-a | 2005-12-06 19:34 | Movies & Books
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